「がんと診断されたら、まとまった一時金がもらえるから大丈夫」と思っていませんか?実は、その一時金が「1回のみ」か「複数回」かで、再発時の保障が大きく変わります。さらに、複数回もらえるタイプでも、2回目以降に「給付されない」という落とし穴があります。
様々な実例をもとに、がん保険の一時金の落とし穴を解説します。
この記事でわかること
✅ がん保険の一時金(診断給付金)が「1回のみ型」と「複数回型」の違い
✅ 複数回型でも2回目の給付が「給付されない」ケース
✅ 2回目給付の待機期間と条件の落とし穴
✅ がん保険選びで確認すべき3つのポイント
✅ 福岡県民の再発ケーススタディ3つ
がん保険の一時金(診断給付金)とは
一時金は「診断確定」でもらえるお金
がん保険の一時金(診断給付金)とは、がんと診断確定された段階でまとまったお金が受け取れる給付金です。一般的に50万円~200万円の範囲で設定されます。
治療費はもちろん、働けなくなった期間の生活費や、より良い医療を受けるための交通費など、自由に使える貴重なお金です。非課税なため、税金がかかることもありません。
一時金の最大の特徴:「1回のみ」か「複数回」か
がん保険の一時金には大きく2つのタイプがあります。この選択が、再発時の運命を大きく左右します。
タイプ1:1回のみ型
- 初めてがんと診断された時に1回だけ受け取れる
- その後、再発や転移してもお金は出ない
- 保険料は安め
タイプ2:複数回型
- 再発や転移で2回目以降もお金が受け取れる
- 条件がある場合が多い
- 保険料はやや高め
「複数回受け取れる」と思っていても…
ここが重要な落とし穴です。複数回型でも、2回目以降は「条件がある」ため、給付されないケースがあります。多くの人が「複数回型だから大丈夫」と思い込んでいますが、実際に再発したときに「給付されない」という悲劇が起こります。
1回のみ型の危険性
一度がん保険に加入すると…
一度がんと診断されてしまうと、その後新しいがん保険に加入することはほぼ不可能です。なぜなら、がんは再発・転移のリスクが高い病気だからです。
つまり、1回のみ型のがん保険に加入していて、1回目の給付金を受け取ってしまうと、その後の再発には一切保障がなくなるということです。
再発率の現実
がんの種類によって異なりますが、多くのがんは数年以内に再発する可能性があります。例えば:
- 乳がん:5年再発率10~15%
- 大腸がん:5年再発率20~30%
- 肺がん:5年再発率40~50%
つまり、完治したと思っても、その後数年で再発する可能性は決して低くないのです。
1回のみ型を選ぶ危険性
1回のみ型で初めてのがんに100万円の給付を受けたとしても、5年後に再発した場合の状況は深刻です:
1回目(初回診断)
- がんと診断
- 一時金100万円 ✅ 受取
- 手術・入院・治療費に充当
5年後(再発時)
- 再びがんと診断
- 一時金 ❌ 給付ゼロ円
- 治療費は全て自己負担
- 新たながん保険に加入不可
この状況は非常に危険です。しかも、多くの方が「がん保険は1回のみ」という認識さえないまま加入しているのです。
複数回型なら安心?いいえ、2回目給付には「条件」がある
複数回型の2回目給付に必ずついている「待機期間」
複数回型のがん保険でも、2回目の給付金を受け取るには「時間経過」という条件があります。
一般的な条件:
- 前回の給付から1年経過していないと給付されない
- または、2年経過していないと給付されない
つまり、1回目の給付を受けたその直後に再発しても、1年(または2年)待たないと2回目の給付金がもらえないということです。
特に再発が早い場合、この待機期間中の治療費は全て自己負担となります。
診断だけでは足りない場合も
さらに厄介な条件があります。2回目以降の給付条件は商品によって異なり、以下のようなパターンがあります。
パターン1:診断確定のみで給付(理想的)
- がんと診断されるだけで給付金がもらえる
- ただし、多くの商品ではこのパターンではない
パターン2:診断+入院で給付
- がんと診断されて、かつ入院したときのみ給付
- 通院治療だけの場合は給付されない
パターン3:診断+治療で給付
- がんと診断されて、かつ抗がん剤治療や放射線治療を受けたときのみ給付
- 経過観察中は給付されない
最新治療は通院が主流
ここが大きな問題です。現代のがん治療は、抗がん剤治療の多くが通院で行われます。
つまり、2回目の給付条件が「診断だけ」であれば問題ありませんが、「入院が条件」となっていれば、通院治療だけでは給付されないということになります。
せっかく複数回型に加入していても、現代のがん治療の現実に対応していないケースが多いのです。
福岡県民のリアル事例3つ
ケース1「2回目給付の待機期間で困った」
患者:50代女性(福岡県福岡市)
診断:乳がん
1回目の給付:診断から1年後、100万円受取
状況の推移
- 乳がんで手術・化学療法を実施
- 1年後、経過観察中に治療終了
- 1回目の診断給付金100万円を受取
再発時の状況
- 1回目の給付から1年10ヶ月後、転移が発見
- 複数回型のがん保険なので「2回目も給付される」と思っていた
- ところが、確認してみたら2回目の給付条件は「2年経過後」
結果
- 再発発見時点では、まだ2年経過していない
- 2回目の給付金を受け取るまであと2ヶ月待つ必要
- その間の治療費約50万円は自己負担
教訓 複数回型でも「何年経過したら」という条件をしっかり確認すること。1年ごと、2年ごとで大きく異なります。特に再発が早い場合は、この待機期間が大きな負担になります。
ケース2「通院治療だけでは給付されなかった」
患者:40代男性(福岡県北九州市)
診断:肺がん
1回目の給付:100万円受取
治療経過
- 初回手術で肺の腫瘍を切除
- 術後、化学療法(抗がん剤治療)が開始
- 1年半の抗がん剤治療を実施
再発の発見
- 1年半後、別の場所に転移を発見
- がん保険の2回目給付条件を確認
給付条件の確認 「2回目以降は診断確定に加え、入院による治療を受けたときのみ給付」
現実との乖離
- 転移したがんは通院による化学療法で対応
- 入院による治療は行われず
- 2回目の給付金は受け取れず → 治療費約60万円が自己負担に
教訓 複数回型でも「入院が条件」では、現代のがん治療に対応できません。加入前に「通院治療でも給付されるか」を確認することが重要です。
ケース3「診断給付だけで給付されたが、追加診断は対象外」
患者:30代女性(福岡県久留米市)
診断:乳がん
1回目の給付:80万円受取
状況の推移
- 乳がんで部分切除と放射線治療を実施
- 初回診断から2年後、経過観察中に別のがんを発見
期待と現実
- 複数回型なので「新たながんと診断されたから給付される」と思っていた
- ところが、保険の細かい条件を確認すると…
給付条件の細かい条件 「2回目以降は前回診断から2年経過後に新たながんと診断されたときのみ」
実は、経過観察中に見つかった「新たながん」は、給付条件をよく読むと「新たな診断」ではなく「前のがんの経過観察中の発見」と判断される可能性があります。
結果
- 保険会社に問い合わせた結果、2回目給付は対象外と判定
- 治療費50万円が自己負担に
教訓 複数回型でも「新たながん」の定義が曖昧な場合があります。加入前に細かい条件を確認し、不明な点は保険会社に質問することが重要です。
がん保険選びで確認すべき3つのポイント
ポイント1「複数回型は必須」
絶対に「1回のみ型」は選んではいけません。再発のリスクを考えると、複数回型が必須です。
ただし「複数回型です」という説明だけでは不十分。保険会社や代理店の営業トークだけを信じずに、必ず自分で確認することが重要です。
ポイント2「2回目以降の給付条件を徹底確認」
複数回型を選ぶときは、以下をチェックしてください。これらの項目が曖昧なまま加入すると、再発時に給付されないという悲劇が起こります。
確認項目チェックリスト
- 2回目以降の給付には何年経過が必要か?(1年?2年?)
- 2回目は「診断だけ」で給付されるか、それとも「入院が条件」か
- 通院治療でも給付されるか
- 2回目以降の給付回数に上限があるか(無制限?5回まで?)
- 「新たながん」の定義は何か
- 上皮内新生物(初期のがん)も給付対象か
ポイント3「通院治療対応型を選ぶ」
現代のがん治療は通院が主流です。特に抗がん剤治療やホルモン療法は、ほとんどが外来(通院)で実施されます。
通院治療でも給付される商品を選びましょう。加入時に「通院治療特約」など、別途付加できるかも確認してください。
まとめ:複数回型選択時は「条件確認」が命
がん保険の一時金は、再発時の経済的負担を大きく軽減する重要な保障です。しかし、「複数回型だから安心」という思い込みは非常に危険です。
2回目以降の給付条件をしっかり確認し、通院治療にも対応した商品を選ぶことが重要です。
特に以下のような方は、この記事を参考に保険内容を見直してください:
- すでにがん保険に加入している
- 「複数回型だから大丈夫」と思っている
- 2回目以降の給付条件を確認したことがない
福岡県民向けのFP相談では、このような細かいがん保険の条件までしっかり説明し、あなたのリスクに合わせた最適な商品をご提案します。医療保険の見直しと合わせて、がん保険の条件もチェックしてみてはいかがでしょうか。
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執筆者プロフィール
独立系ファイナンシャルプランナー / 保険相談専門家
福岡県在住。年間300件以上の保険・資産運用相談を受け付け、顧客の「本当に必要な保障」を一緒に考えます。
執筆者プロフィール
独立系ファイナンシャルプランナー / 不動産エージェント
福岡在住20年以上。中立的な立場から、不動産・保険・資産運用の相談を受け付けています。



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