医療保険は本当に必要?福岡の医療費データで検証

保険
  1. 導入
  2. 福岡県の医療費データから見える現実
    1. 1. 福岡県は医療費が高い地域
    2. 2. 入院診療費の負担が大きい
  3. 日本の公的医療保険で本当に保障される範囲
    1. 高額療養費制度の上限額
    2. 高額療養費制度の限界
  4. 実際の医療費シミュレーション:福岡でよくある疾患
    1. パターン①:大腸がん(ステージⅡ)の場合
    2. パターン②:脳卒中で入院の場合
  5. 医療保険が活躍するケース:福岡県民が注意すべき5つのシーン
    1. 1. 長期の治療が必要な場合(3ヶ月以上)
    2. 2. 福岡の高額診療施設を利用する場合
    3. 3. 働き盛りの30~50代で重大疾病を発症
    4. 4. 複数の入院が必要になった場合
    5. 5. 自宅療養・通院段階の生活費
  6. 医療保険の「本当に必要な機能」と「不要な機能」
    1. 必要性が高い保障
    2. 実は不要な保障(見直しが必要な場合)
  7. 福岡県民に合わせた医療保険の選び方
    1. ステップ1:公的医療保険の限界を理解する
    2. ステップ2:自分の貯蓄額を把握する
    3. ステップ3:職業と収入を考慮する
    4. ステップ4:人生段階ごとの必要性を判断
  8. 福岡県内での具体的なシミュレーション
    1. 現役世代(40代会社員、年収600万円)
    2. 自営業者の場合
    3. ①更新型と終身型の選択
    4. ②告知と査定
    5. ③先進医療特約は「付けるべき」
    6. ④複数加入について
  9. 最後に:医療保険は「保障」ではなく「安心料」
  10. 福岡マネーラボからのアドバイス

導入

「医療保険に入るべき?」という相談は、多くの人が悩む課題です。日本には公的医療保険制度という強力なセーフティネットがあるのに、なぜ民間の医療保険が必要なのか。福岡県の医療費データを活用しながら、その答えを一緒に考えていきましょう。


福岡県の医療費データから見える現実

1. 福岡県は医療費が高い地域

まず驚くべき事実として、福岡県は全国でも医療費が高い地域です。

令和4年度(2022年)の国民医療費統計によると:

  • 福岡県の1人当たり医療費:44万4,600円
  • 全国平均:37万3,700円
  • 福岡県は全国平均より約19%高い

さらに詳しく見ると:

  • 後期高齢者(75歳以上)の医療費が特に高い
    • 福岡県:1人当たり117万5,624円
    • 全国平均:95万1,767円
    • 福岡県は全国で最も高い
    • 全国平均比:1.24倍

なぜ福岡県の医療費が高いのか。その理由は医療機関の充実度です。福岡県の人口10万人当たり病床数は全国平均を大きく上回り、特に精神病床(403.3床)や療養病床(333.6床)が多く配置されています。医療へのアクセスが良好な地域では、受診率が高くなる傾向があります。

2. 入院診療費の負担が大きい

福岡県内での医療費は、入院診療費の割合が全国平均を上回ります。これは重要なポイントです。外来診療は月1~2万円程度で済むことがほとんどですが、入院となると話が変わります。


日本の公的医療保険で本当に保障される範囲

高額療養費制度の上限額

日本の医療保険には「高額療養費制度」という強力な制度があります。1ヶ月の医療費が一定額を超えた場合、その超過分が戻ってくる仕組みです。年収と年齢によって上限金額が変わります。

69歳以下の標準的な所得層(年収約370~770万円)の場合:

月額上限額:80,100円 +(医療費-267,000円)×1%

例えば100万円の医療費がかかった場合:

  • 患者窓口負担:30万円(3割)
  • 高額療養費で戻ってくる:21万2,570円
  • 実際の自己負担:87,430円

※月をまたぐ入院は、87,430円×2か月分が請求されます。

高額療養費制度の限界

しかし、この制度には限界があります:

  1. 差額ベッド代は対象外
    • 個室や特別室の料金は自己負担
    • 福岡市内の大病院では差額ベッド代が1日5,000~10,000円
  2. 先進医療は対象外
    • 重粒子線治療:300万円以上
    • 遺伝子治療:数百万円のケースも
  3. 食事代・診断書代なども対象外
  4. 自費診療や検査は対象外

実際の医療費シミュレーション:福岡でよくある疾患

パターン①:大腸がん(ステージⅡ)の場合

福岡県内の病院で手術+化学療法を受けた場合:

  • 1入院あたり平均医療費:141万4,713円
  • 3ヶ月の治療と仮定(毎月約47万円)
  • 69歳以下で年収500万円の人:毎月の自己負担57,600円 × 3ヶ月 = 172,800円

実際に必要な自己負担額:172,800円
+ 差額ベッド(1日1万円×30日×3ヶ月=90万円)
+ 先進医療検討 → 最低でも約100万円以上の自己負担可能性

パターン②:脳卒中で入院の場合

  • 平均入院医療費:200~300万円
  • 1ヶ月の医療費が100~150万円の場合:
  • 自己負担限度額:87,430円/月
  • 3ヶ月の入院で262,290円の公的保障+追加費用

医療保険が活躍するケース:福岡県民が注意すべき5つのシーン

1. 長期の治療が必要な場合(3ヶ月以上)

多数回該当制度により、4ヶ月目以降は上限額がさらに下がります:

  • 1~3ヶ月目:87,430円/月
  • 4ヶ月目以降:44,400円/月

しかし差額ベッド代は毎月継続します。

  • 個室利用:月30万円前後の追加費用が可能

2. 福岡の高額診療施設を利用する場合

福岡県の先進医療をカバーする医療保険は重要です:

  • 大学病院での先進医療:数百万円
  • 高度医療に対応する民間病院の差額ベッド

3. 働き盛りの30~50代で重大疾病を発症

福岡県内でもがん罹患率は年々上昇しています。仕事を休んでいる間の収入減と、医療費の両方が必要になります。

4. 複数の入院が必要になった場合

直近12ヶ月に複数回入院する場合、医療保険で「入院一時金」や「入院日額」の給付があると心強いです。

5. 自宅療養・通院段階の生活費

退院後の通院費(福岡市内では交通費もかかる)、自宅での介護グッズ購入費は医療保険では対象外です。


医療保険の「本当に必要な機能」と「不要な機能」

必要性が高い保障

  1. 入院一時金(5~10万円)
    • 入院直後の雑費(パジャマ、身辺用品など)
    • 生活費の補助
  2. 手術給付金(20~50万円)
    • 特に注意:がん診断時に一度だけの給付では不足
    • 複数回の手術が想定される疾患は要注意
  3. 長期療養への対応
    • 通常の高額療養費では足りない部分
    • 福岡県内の入院長期化(平均在院日数が全国平均より長い)
  4. 先進医療特約
    • 先進医療にかかった費用の給付
    • 福岡市内の大型病院では対応可能な治療が増えている

実は不要な保障(見直しが必要な場合)

  1. 通院日額給付(日額2,000~5,000円)
    • 理由:入院を伴わない通院は医療費が低額
    • 公的保険の自己負担が年間20~30万円程度
    • 例外:がん治療の長期通院がある場合は検討の余地あり
  2. 疾病特定型の医療保険(単独では不十分)
    • 例「女性特定疾病のみ対応」など
    • 予測不可能な医療リスクに対応していない
    • 基本的な医療保険の上乗せなら検討価値あり
  3. 保障内容の完全重複
    • 複数の保険で同じ内容が重複している場合
    • 例:A社「入院日額5,000円」+B社「入院日額5,000円」で月額10,000円
    • この場合、一方は不要の可能性が高い

福岡県民に合わせた医療保険の選び方

ステップ1:公的医療保険の限界を理解する

福岡県で特に注意:

  • 大病院の個室入院は月30~60万円の追加費用
  • 長期療養時の生活費補助
  • 先進医療の費用負担

ステップ2:自分の貯蓄額を把握する

現金貯蓄で対応できる額を確認:

  • 300万円以上→医療保険は最小限でOK(入院一時金程度)
  • 100~300万円→医療保険で100~150万円程度カバー検討
  • 100万円以下→医療保険で手厚い保障が必要

ステップ3:職業と収入を考慮する

  • 会社員:傷病手当金で給与の60%が保障されるため、生活費負担は軽い
  • 自営業者→収入途絶の補助として「所得補償保険」の検討も有効
  • パート・アルバイト→手厚い医療保険が有効

ステップ4:人生段階ごとの必要性を判断

年代必要な保障理由
20~30代最小限(一時金+先進医療特約)高額医療は稀、貯蓄を優先
30~50代手厚い保障(入院日額5,000円程度)がん・心疾患リスク上昇
50~60代入院対応+長期療養への備え福岡県の入院長期化傾向
60代以上検討の段階的減少が有効後期高齢者医療で自己負担上限あり

福岡県内での具体的なシミュレーション

現役世代(40代会社員、年収600万円)

公的保険のみの場合(入院):

  • 医療費200万円の場合:自己負担87,430円
  • 差額ベッド(30日×5,000円):150,000円
  • 合計:約237,430円

医療保険あり(入院日額5,000円、入院一時金10万円)の場合:

  • 公的保険の自己負担:87,430円
  • 差額ベッド補助(月額5,000円×1ヶ月):5,000円
  • 医療保険給付:入院一時金10万円 + 入院日額(30日×5,000円=150,000円)
  • 実質自己負担:約17,430円

自営業者の場合

上記に加えて、収入途絶への補助が重要

  • 30日入院で「所得補償保険」で月商の60~70%が補償される仕組みを検討

①更新型と終身型の選択

福岡県民に多い選択ミス:

  • 更新型は保険料が安いが、60代での更新時に大幅値上げ(2倍になることも)
  • 50代までに加入するなら終身型が得

②告知と査定

特に注意(福岡県の疾患傾向):

  • 健康診断での要再検査がある場合は正確に告知
  • 加入後3ヶ月以内の給付は査定が厳しい

③先進医療特約は「付けるべき」

理由:

  • 月額100~200円の追加で先進医療を全額カバー
  • 福岡市の大型病院では重粒子線治療など対応可能
  • 医療費200万円が自己負担ゼロになる可能性

④複数加入について

複数の医療保険に加入することは可能です。医療保険は「定額給付方式」で、契約で定めた金額がそのまま支払われるため、複数加入していれば、それぞれから給付を受け取れます。

ただし、保険料の負担増加と管理の手間が課題になります。保障内容の重複がないか、保険料が家計を圧迫していないか定期的に確認することが重要です。


最後に:医療保険は「保障」ではなく「安心料」

公的医療保険制度が日本にあることで、医療費による破産のリスクはほぼありません。しかし、福岡県内での長期入院時の追加費用や、仕事を休めない時期の経済的ショックへの対応として、医療保険は有効です。

医療保険が必要かどうかの最終判断:

  • 加入推奨:貯蓄100~500万円、重大疾病時に仕事を休められない環境
  • 加入推奨:自営業者、フリーランス
  • ⚠️ 検討中:貯蓄500万円以上で、基本的な保障(入院一時金+手術給付金)のみで検討
  • 不要:貯蓄1,000万円以上、定年後で医療費は公的保険で対応可能

福岡県の医療費データを踏まえ、あなたの人生段階経済状況に合わせた選択をすることが大切です。判断が難しいと思われる方も多いかと思いますので、その時はこちらからご気軽にご相談ください。


福岡マネーラボからのアドバイス

「医療保険の相談がしたい」という福岡市民の方へ。あなたの職業、年収、家族構成、貯蓄額を踏まえて、本当に必要な保障の組み合わせを提案します。多くの人は「過剰な保障に加入している」か「足りない部分が大きい」かの両極端です。

FP白井の保険見直しサービスでは、福岡県民の医療費データを活用した最適な保障設計をお手伝いします。


記事作成日:2025年12月
参考資料:厚生労働省「国民医療費の概況」、福岡県「医療保険事業状況」、全国健康保険協会「高額療養費制度」


執筆者プロフィール

独立系ファイナンシャルプランナー / 不動産エージェント
福岡在住20年以上。中立的な立場から、不動産・保険・資産運用の相談を受け付けています。

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