医療保険の落とし穴④:精神疾患の保障の複雑さ

保険

「うつ病で入院した場合、医療保険から給付金が出ない」という話を聞いたことはありませんか?実は、精神疾患に関する医療保険の保障は、他の病気と異なり、極めて複雑です。福岡県民が実際に経験した事例をもとに、精神疾患と医療保険の関係を詳しく解説します。


  1. この記事でわかること
  2. うつ病などの精神疾患での入院給付金:基本的には給付される
    1. 「精神疾患は医療保険で給付されない」は半分正解で半分誤解
  3. 精神疾患での長期入院:医療保険だけでは足りないことも
    1. うつ病・統合失調症は他の病気より入院が長くなる
  4. 就業不能保険が精神疾患を対象外にする理由
    1. 「仕事ができなくなった」をカバーする就業不能保険は?
      1. なぜ精神疾患は対象外にされるのか?
      2. 就業不能保険で精神疾患が対象外になることの現実
  5. 精神疾患で医療保険に加入できない場合がある
    1. 精神疾患があると通常の医療保険に加入できないことがある
      1. 精神疾患での加入が難しい理由
  6. 精神疾患でも入れる保険:引受基準緩和型・無選択型
    1. 通常の医療保険に入れない場合の選択肢
      1. ①引受基準緩和型保険
      2. ②無選択型保険
  7. 福岡県民が実際に困った「精神疾患と医療保険」の事例
    1. ケース1:うつ病で入院しても給付金が出なかった
    2. ケース2:適応障害で自宅療養中、収入が途絶えた
    3. ケース3:うつ病で保険に加入できず、引受基準緩和型に加入
  8. 精神疾患がある人が準備すべき対策
    1. ①医療保険:あれば有効だが、加入が難しい場合もある
    2. ②傷病手当金の理解
    3. ③障害年金の活用
    4. ④貯蓄
  9. 精神疾患での保険加入:注意すべき点
    1. ①必ず正直に告知する
    2. ②加入前に支払限度日数を確認する
    3. ③精神疾患で対象外の特約を避ける
  10. まとめ:精神疾患と医療保険の関係

この記事でわかること

✅ うつ病・統合失調症での入院は給付される?
✅ 就業不能保険が精神疾患を対象外にする理由
✅ 精神疾患で保険に加入できない場合の対策
✅ 引受基準緩和型保険の活用法


うつ病などの精神疾患での入院給付金:基本的には給付される

「精神疾患は医療保険で給付されない」は半分正解で半分誤解

まず重要なポイント:うつ病などで入院した場合、医療保険の入院給付金は基本的には支払われます。

ただし、「給付されない場合もある」という複雑さがあります。

給付される条件

  • 医療保険に加入している
  • 加入後に精神疾患を発症した
  • 実際に入院している
  • 支払限度日数以内の入院

給付されない可能性がある場合

  • 加入前に精神疾患で治療を受けていた
  • 就業不能保険の場合(多くは精神疾患を対象外としている)
  • 通院のみで入院していない
  • 支払限度日数を超えている

精神疾患での長期入院:医療保険だけでは足りないことも

うつ病・統合失調症は他の病気より入院が長くなる

精神疾患での入院は、他の病気よりも長期化する傾向があります。

平均入院日数の比較

病名平均入院日数
通常の肺炎約10~20日
脳梗塞約90~120日
気分障害(躁うつ病を含むうつ病)約100~150日
統合失調症約100~200日
骨折約15~30日

ご覧の通り、精神疾患は他の病気よりも入院期間が長い傾向があります。

福岡県データ

  • 気分障害(躁うつ病を含む)の平均入院日数:約113日
  • 全疾病平均入院日数:約32日

つまり、医療保険の「1入院あたり60日」という制限では、不足する可能性が高いのです。


就業不能保険が精神疾患を対象外にする理由

「仕事ができなくなった」をカバーする就業不能保険は?

うつ病で最も大きな問題は、実は「医療費」ではなく「収入の減少」です。

医療保険は「入院費用」をカバーしますが、自宅療養で仕事ができなくなった場合は対象外です。

そこで活躍するのが「就業不能保険」です。

しかし、ほとんどの就業不能保険は精神疾患を対象外としています。

なぜ精神疾患は対象外にされるのか?

理由は3つあります:

①症状を数値化できない

  • 心筋梗塞:心電図で明確に判定できる
  • うつ病:検査では判定しにくい

②回復時期が不確定

  • 骨折:レントゲンで治癒を確認できる
  • うつ病:「治った」という判定が曖昧

③再発リスクが高い

  • 保険会社が長期給付のリスクを懸念

このため、保険会社は精神疾患を除外することで、リスク管理をしているのです。

就業不能保険で精神疾患が対象外になることの現実

福岡県在住・30代男性のケース

適応障害でうつ状態となり、3ヶ月間休職しました。

医療保険の入院給付金:0円(入院していないため)
就業不能保険:0円(精神疾患は対象外)
給与:休職期間は無給

収入が途絶える中、医療費と生活費を自己負担することになりました。


精神疾患で医療保険に加入できない場合がある

精神疾患があると通常の医療保険に加入できないことがある

医療保険に加入する際には「告知」という健康状態についての申告が必要です。

告知項目の一般的な例

  • 「現在、心療内科・精神科に通院していますか?」
  • 「過去5年以内に精神疾患で治療を受けたことはありますか?」

このような質問に「はい」と答えると、通常の医療保険では加入が難しくなります。

精神疾患での加入が難しい理由

  • 給付請求が多くなる可能性
  • 長期入院のリスク
  • 就業能力への影響

保険会社は「リスク」と判断して、加入を断ったり、条件付きで加入させたりするのです。


精神疾患でも入れる保険:引受基準緩和型・無選択型

通常の医療保険に入れない場合の選択肢

精神疾患がある人向けの保険として、以下の2つがあります:

①引受基準緩和型保険

特徴

  • 3~5問の簡単な告知のみ
  • 現在、通院・入院していなければ加入可能
  • 保険料は通常より高め(約20~30%割増)

告知項目の例

  • 「現在、医師の治療を受けていますか?」
  • 「過去3ヶ月以内に医師の診察を受けていますか?」

福岡県での実例

  • うつ病で通院終了後、引受基準緩和型に加入
  • 月額保険料:通常より3,000~5,000円高い
  • ただし、将来的な給付に不安がある場合は有効

②無選択型保険

特徴

  • 告知がまったくない
  • 誰でも加入可能
  • 保険料は最も高い(通常の50~100%割増)
  • 待機期間(90日程度)があり、その間の給付は対象外

使用場面

  • 引受基準緩和型にも加入できない
  • 現在、精神科に通院中
  • 症状が重い

福岡県民が実際に困った「精神疾患と医療保険」の事例

ケース1:うつ病で入院しても給付金が出なかった

相談者:40代女性

うつ病で2ヶ月間入院しました。

期待していた給付金

  • 入院給付金:60日 × 10,000円 = 600,000円

実際の給付金

  • 加入時に「過去3ヶ月以内の精神科受診」を隠していた
  • 告知義務違反で給付金が支払われず:0円

医療保険は「告知」が重要です。ここで嘘をつくと、給付時に大きな問題になります。

ケース2:適応障害で自宅療養中、収入が途絶えた

相談者:30代男性

適応障害でうつ状態となり、3ヶ月の休職。

医療保険:入院していないため給付なし
就業不能保険:精神疾患は対象外のため給付なし
給与:休職中は無給

医療費はまだしも、生活費が深刻な問題に。

対応策

  • 傷病手当金の申請(給与の60%が支給される制度)
  • 障害年金の相談

ケース3:うつ病で保険に加入できず、引受基準緩和型に加入

相談者:50代男性

統合失調症の治療履歴があり、通常の医療保険に加入できませんでした。

引受基準緩和型保険に加入:

  • 月額保険料:15,000円(通常の医療保険より5,000円高い)
  • 保障内容は通常と同じ

「割高だけど、加入できないよりはまし」という判断で加入。


精神疾患がある人が準備すべき対策

①医療保険:あれば有効だが、加入が難しい場合もある

もし通常の医療保険に加入できれば、長期入院に備えられます。

入院給付金日額の目安

  • 最低でも10,000円
  • できれば支払限度日数が120日以上

②傷病手当金の理解

精神疾患で働けなくなった場合の最大の補償:

条件

  • 健康保険加入者
  • 医師の診断書で働けないことが証明される
  • 4日以上休職している

給付額:給与の約60%
給付期間:最大1年6ヶ月

会社員なら、この制度で生活をしのぐことが可能です。

③障害年金の活用

精神疾患で長期間働けない場合:

条件

  • 初診日から1年6ヶ月以上経過
  • 日常生活や労働能力が著しく低下

給付額:月額約6万円~(等級による)

④貯蓄

最後の砦は貯蓄です。

精神疾患のリスクを考えると、最低でも6ヶ月分の生活費を貯蓄しておくことをお勧めします。


精神疾患での保険加入:注意すべき点

①必ず正直に告知する

保険加入時の告知は最も重要です。

隠すと:

  • 後々給付金が支払われない
  • 保険契約が解除される

②加入前に支払限度日数を確認する

精神疾患は長期入院になる傾向があるため、できれば:

  • 1入院あたりの限度日数:120日以上
  • 通算支払限度日数:1,000日以上

③精神疾患で対象外の特約を避ける

保険によっては「精神疾患は対象外」という特約が付いていることもあります。

加入前に必ず確認してください。


まとめ:精神疾患と医療保険の関係

精神疾患と医療保険は、複雑な関係にあります。

🔴 入院給付金は基本的には給付される(ただし告知が重要)
🔴 就業不能保険は精神疾患を対象外にすることが多い
🔴 精神疾患があると通常の医療保険に加入できない場合がある
🔴 医療保険だけでなく、傷病手当金や障害年金の活用が重要

精神疾患がある場合は、医療保険だけに頼らず、公的保障制度と組み合わせることが重要です。


執筆者プロフィール

独立系ファイナンシャルプランナー
福岡県在住。年間300件以上の保険・資産運用相談を受け付け、顧客の「本当に必要な保障」を一緒に考えます。

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