医療保険の落とし穴⑤:先進医療・自由診療の費用負担

保険

「先進医療特約に加入しているから、高度な治療も安心」と思っていませんか?実は、先進医療も自由診療も、多くの費用が自己負担になります。福岡県民が実際に経験した事例をもとに、先進医療・自由診療の落とし穴を詳しく解説します。


  1. この記事でわかること
  2. 先進医療とは:高度な医療技術の将来の保険化を評価する制度
    1. 先進医療は「保険診療の前段階」
      1. 先進医療の役割
  3. 先進医療にかかる費用:先進医療の技術料は全額自己負担
    1. 先進医療の費用負担の仕組み
      1. 具体例:先進医療での費用負担
    2. 福岡県で実施されている先進医療の例と費用
  4. 先進医療特約の落とし穴
    1. 先進医療特約があれば安心…は大きな誤解
      1. 先進医療特約の制限
  5. 自由診療を選んだときの費用負担:全額自己負担の現実
    1. 「保険診療では治療法がない」「より効果の高い治療を受けたい」:自由診療の現実
      1. 自由診療の費用例
  6. 混合診療が禁止されている理由
    1. 「保険診療と自由診療を混ぜたい」が原則禁止なのはなぜ?
      1. 混合診療禁止のルール
      2. なぜ混合診療は禁止されているのか?
  7. 先進医療と自由診療の違い
    1. 先進医療と自由診療は全く異なる制度
  8. 福岡県民が実際に困った「先進医療・自由診療」の事例
    1. ケース1:先進医療の技術料が予想より高かった
    2. ケース2:自由診療を選んだら、全て自費になった
    3. ケース3:混合診療を勧められて困った
  9. 先進医療・自由診療に備えるための対策
    1. ①先進医療特約の活用
    2. ②自由診療に備える貯蓄
    3. ③セカンドオピニオンの活用
    4. ④患者申出療養の活用
  10. 先進医療・自由診療での保険選びのポイント
    1. ①先進医療特約は必要か?
    2. ②医療保険の給付限度額
  11. まとめ:先進医療・自由診療で後悔しないために
  12. 医療保険の「本当に必要な備え」について相談したい方へ

この記事でわかること

✅ 先進医療とは何か、費用はどれくらい?
✅ 先進医療特約の意外な制限
✅ 自由診療を選んだときの全額自己負担リスク
✅ 混合診療が禁止されている理由


先進医療とは:高度な医療技術の将来の保険化を評価する制度

先進医療は「保険診療の前段階」

「先進医療」という言葉をよく聞きますが、実はこの言葉の定義は曖昧です。

医学的な意味:「最新の医療技術」全般
保険用語としての意味:「厚生労働大臣が認定した、実績がある高度医療技術」

医療保険で議論する「先進医療」は、後者の意味です。

先進医療の役割

先進医療制度は:

  • 効果が期待される新しい医療技術を
  • 患者が希望すれば受けられるようにしながら
  • 将来的に保険診療に組み込むかどうかを判断する ための制度です

つまり、先進医療で実績を積み、効果が証明されたら、やがて保険診療になる、という流れです。


先進医療にかかる費用:先進医療の技術料は全額自己負担

先進医療の費用負担の仕組み

先進医療を受けた場合、費用負担は複雑に分かれます:

先進医療にかかる技術料:全額自己負担(保険なし)
通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料など):保険適用

具体例:先進医療での費用負担

総医療費が300万円、先進医療の技術料が100万円だった場合:

項目金額負担方法
先進医療技術料100万円全額自己負担
通常治療部分200万円3割負担で60万円
患者の自己負担合計160万円

つまり、患者は100万円+60万円=160万円の自己負担が発生するのです。

福岡県で実施されている先進医療の例と費用

2025年現在、福岡県内で実施されている先進医療(実例):

先進医療対象疾患技術料(概算)
遺伝子パネル検査がん30~50万円
ロボット支援手術前立腺がん・膵臓がん150~300万円
多焦点眼内レンズ白内障50~100万円
陽子線治療がん250~300万円

ご覧の通り、数百万円の費用が発生する先進医療も珍しくありません。


先進医療特約の落とし穴

先進医療特約があれば安心…は大きな誤解

多くの医療保険に「先進医療特約」が付いています。

先進医療特約の内容

  • 先進医療にかかった技術料の給付金が出る
  • ただし、同じ厚生労働省認定の医療施設での治療が条件

先進医療特約の制限

①医療施設が限定されている

先進医療は、厚生労働省が指定した医療施設でしか受けられません。

全国で約300の医療施設のみが実施しており、地方では限定的です。

福岡県内の先進医療実施施設(実例):

  • 大学病院(九州大学病院、福岡大学病院など)
  • がん専門病院(九州がんセンターなど)
  • 特定機能病院

つまり、自分の街の近所の病院では、先進医療を受けられない可能性が高いのです。

②技術料の上限設定

先進医療特約の給付金は、先進医療の技術料全額ではなく、「厚生労働省が定めた標準的な費用」が給付額の上限です。

実際の費用がそれを超えた場合、差額は患者負担です。

③対象となる医療が限定されている

先進医療の中でも、特約で対象となる医療は限定されています。

自分が受ける予定の医療が対象かどうか、事前に確認が必須です。


自由診療を選んだときの費用負担:全額自己負担の現実

「保険診療では治療法がない」「より効果の高い治療を受けたい」:自由診療の現実

保険診療では対応できない場合、患者は自由診療を選ぶことがあります。

例えば:

  • 未承認の抗がん剤を使いたい
  • 国内未認可の治療法を受けたい
  • 保険診療より効果が高いと言われる治療を受けたい

この場合、医療費は全額自己負担です。

自由診療の費用例

治療法対象疾患費用
未承認抗がん剤がん月50~200万円
陽子線治療(自由診療)がん300~400万円
樹状細胞療法がん200~300万円
高度な遺伝子治療難病数百万円~

福岡県在住・50代男性のケース

進行性の肺がんと診断されました。

保険診療:抗がん剤A(効果が限定的と医師が判断)
自由診療:未承認の抗がん剤B(より効果が期待できると医師が説明)

自由診療を選んだ場合の費用:月150万円 × 12ヶ月 = 1,800万円

医療保険からの給付:0円(自由診療は保険対象外)


混合診療が禁止されている理由

「保険診療と自由診療を混ぜたい」が原則禁止なのはなぜ?

患者の希望としては「保険診療でカバーできる部分は保険で、最新治療は自由診療で」という選択をしたいですよね。

しかし、日本では混合診療は原則禁止です。

混合診療禁止のルール

一度自由診療を受けると

  • その病気に関する全ての治療が自由診療になる
  • 保険診療部分も含めて全額自己負担

具体例

進行がんで:

  • 保険診療の抗がん剤A:月10万円(3割負担で3万円)
  • 自由診療の抗がん剤B:月150万円

患者が「抗がん剤Bだけ自由診療で受けたい」と思った場合:

  • 抗がん剤A部分も含めて全て自由診療扱い
  • 自己負担:160万円/月(10万円+150万円)

つまり、自由診療を選ぶと、保険診療よりも遥かに高い費用負担になるのです。

なぜ混合診療は禁止されているのか?

保険制度を守るため:

  • 効果が確実でない治療が横行する危険性
  • 患者が不必要な自由診療を強要される危険性
  • 医療費の無制限増加

先進医療と自由診療の違い

先進医療と自由診療は全く異なる制度

この2つは混同されることが多いですが、実は全く異なります:

項目先進医療自由診療
認定者厚生労働大臣医師個人の判断
施設指定施設のみどこでも可能
効果の実績実績がある不確定なことも
費用の透明性標準価格あり医師が自由に設定
混合診療例外的に認められる禁止(全て自費)
給付金先進医療特約で対応可能対応不可

福岡県民が実際に困った「先進医療・自由診療」の事例

ケース1:先進医療の技術料が予想より高かった

相談者:60代男性

がんで先進医療(陽子線治療)を受けることになりました。

先進医療特約に加入していたため、「費用は心配ない」と思っていました。

実際の費用

  • 陽子線治療の標準技術料:250万円
  • 実際の費用:300万円(特殊な照射方法のため)
  • 先進医療特約で給付される額:250万円
  • 患者の自己負担:50万円+通常治療部分の自己負担

先進医療特約があっても、完全にはカバーできないことに驚きました。

ケース2:自由診療を選んだら、全て自費になった

相談者:40代女性

進行性の卵巣がんと診断。

医師から「保険診療の抗がん剤は効果が限定的。未承認の抗がん剤なら効果が期待できる」と説明されました。

未承認抗がん剤を自由診療で選択:

  • 費用:月150万円
  • 医療保険からの給付:0円
  • 治療期間:1年
  • 総自己負担額:1,800万円

貯蓄を使い果たしてしまいました。

ケース3:混合診療を勧められて困った

相談者:50代男性

がん治療で、医師から「より効果的な治療法がある」と勧められました。

それは「保険診療の抗がん剤+自由診療の併用治療」でした。

患者は「保険診療だけで治療してほしい」と言いましたが、医師は「この方法が最適」と一方的に説明。

結果として、混合診療扱いになり、保険診療部分も全て自費になってしまいました。


先進医療・自由診療に備えるための対策

①先進医療特約の活用

先進医療特約は、限定的でも有効です。

選ぶポイント

  • 先進医療技術料の給付金が十分か
  • 給付対象となる医療の範囲
  • 特約の保険料(通常は月100~300円)

②自由診療に備える貯蓄

自由診療は医療保険でカバーできません。

万が一に備えて:

  • 300~500万円の貯蓄を目安に
  • 生活費とは別に確保

③セカンドオピニオンの活用

自由診療を勧められたら:

  • 複数の医師の意見を聞く
  • 本当に必要かを検討
  • 保険診療との違いを理解

④患者申出療養の活用

比較的新しい制度として「患者申出療養」があります。

これは:

  • 保険診療と最先端医療の併用が認められる
  • 先進医療より申請期間が短い
  • 自由診療より患者負担が小さい

医師に相談してみる価値があります。


先進医療・自由診療での保険選びのポイント

①先進医療特約は必要か?

必要な人

  • 大学病院など先進医療施設に通える
  • 効果が期待できる先進医療がある
  • 貯蓄が十分ではない

不要な人

  • 近所に先進医療施設がない
  • 利用する可能性が低い
  • 十分な貯蓄がある

②医療保険の給付限度額

医療保険だけでは対応できない医療費も多いため、以下の対策を:

  • 生活費とは別に医療費用として500万円の貯蓄
  • 家族に対する支援制度の確認
  • 公的支援制度の理解

まとめ:先進医療・自由診療で後悔しないために

先進医療・自由診療は、高度な医療を受けられる一方で、多大な費用がかかります。

🔴 先進医療の技術料は全額自己負担
🔴 先進医療特約があってもカバーできないことがある
🔴 自由診療を選ぶと、保険診療部分も全て自費になる可能性
🔴 混合診療は原則禁止

医療保険だけに頼らず、十分な貯蓄と公的支援制度の理解が重要です。


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執筆者プロフィール

独立系ファイナンシャルプランナー / 保険相談専門家
福岡県在住。年間300件以上の保険・資産運用相談を受け付け、顧客の「本当に必要な保障」を一緒に考えます。

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