福岡で中古マンションの購入を検討している人にとって、「どの区を選ぶか」という判断は極めて重要です。同じ中古マンションでも、区によって価格が大きく異なるからです。この記事では、福岡市の7区における中古マンション価格を最新データで徹底比較し、各区の特徴と購入検討時の判断ポイントを解説します。
福岡市7区の中古マンション価格ランキング
築年数別平均価格比較表(建物面積70m²ベース)
| 区 | 築10年 | 築20年 | 築30年 | 築40年 | 築50年 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中央区 | 5,480万 | 3,780万 | 2,985万 | 2,380万 | 2,180万 |
| 早良区 | 4,190万 | 3,280万 | 2,580万 | 1,780万 | 1,535万 |
| 西区 | 3,785万 | 2,680万 | 2,290万 | 1,880万 | — |
| 博多区 | 3,480万 | 2,785万 | 2,200万 | 1,890万 | 1,780万 |
| 南区 | 3,498万 | 2,690万 | 2,099万 | 1,680万 | 1,349万 |
| 城南区 | — | 2,940万 | 2,580万 | 1,780万 | — |
| 東区 | 3,180万 | 2,185万 | 1,890万 | 1,700万 | — |
福岡市全体平均:3,780万円(築10年・70m²)
建物面積別平均価格比較表(築10年ベース)
| 区 | 30平米 | 50平米 | 70平米 | 90平米 | 110平米 |
|---|---|---|---|---|---|
| 中央区 | 1,610万 | 3,830万 | 5,480万 | 6,495万 | — |
| 早良区 | — | — | 4,190万 | 4,885万 | — |
| 西区 | — | — | 3,785万 | 4,190万 | — |
| 南区 | — | — | 3,498万 | 4,150万 | — |
| 博多区 | 1,440万 | 3,290万 | 3,480万 | 3,600万 | — |
| 東区 | — | — | 3,180万 | 3,880万 | 5,000万 |
価格ランキング(築10年・70m²ベース)
- 1位:中央区 5,480万円(福岡市全体平均より+45%)
- 2位:早良区 4,190万円(福岡市全体平均より+11%)
- 3位:西区 3,785万円(福岡市全体平均より+0%)
- 4位:南区 3,498万円(福岡市全体平均より−8%)
- 5位:博多区 3,480万円(福岡市全体平均より−8%)
- 6位:東区 3,180万円(福岡市全体平均より−16%)
- 7位:城南区 —(築20年以上が中心)
最も高い中央区と最も安い東区では、2,300万円の価格差が存在します。
各区の特徴と価格形成要因
中央区(築10年:5,480万円):天神・赤坂の一等地が牽引
中央区は福岡市で最も地価が高い区です。天神地区の大規模再開発プロジェクト進行による地価上昇、ビジネス拠点としての優位性、そして文化・商業施設の充実が価格を支えています。建物面積が大きくなるほど価格上昇が顕著で、90平米の物件では6,495万円に達します。5年後の価格予想は+42.54%で、福岡市内で最も上昇が見込まれるエリアです。
購入層: 経営者層、経営幹部など高所得層。投資目的の購入も多い。
早良区(築10年:4,190万円):百道浜・藤崎の利便性が評価
早良区は福岡市で2番目に価格が高い区です。百道浜地区の海浜都市化と藤崎地区の住環境整備により、若年ファミリー層から高い需要があります。建物面積が90平米になると4,885万円と、中央区との価格差が広がります。公立進学校が多い文教エリアとしても知られ、子育て世帯の購買力を引き出しています。
購入層: 30~40代のファミリー層。子育て環境を重視する家族。
西区(築10年:3,785万円):九大学研都市駅を中心とした新市街地開発
西区は九大学研都市駅を中心とした新しい住宅地開発が進展中です。直近3年間の上昇率は18.05%と、城南区と並んで福岡市内で最も高い成長率を示しています。建物面積による価格差が小さい(70平米:3,785万円 → 90平米:4,190万円)のは、新しい供給物件が増えていることを示唆しています。将来性が評価され、若年層や子育て世帯からの注目が集まっています。
購入層: 新婚夫婦、若年層。将来性を見込む投資層。子育て世帯。
博多区(築10年:3,480万円):交通利便性が最大の魅力
博多区は博多駅を中心とした交通利便性の高さが最大の強みです。福岡空港へのアクセスが優れ、新幹線駅も近いため、仕事で頻繁に出張や移動する層から人気があります。ただし地形的な制約から、供給物件数の伸びは限定的です。5年後の価格予想は+13.93%と、中央区に比べると控えめな成長が予想されています。
購入層: ビジネスパーソン。交通利便性を最優先する層。
南区(築10年:3,498万円):バランス型の住環境
南区は博多区とほぼ同じ価格帯ですが、より落ち着いた住環境を特徴とします。建物面積が90平米になると4,150万円と価格が上昇し、ファミリー向け物件の需要が高いことが伺えます。
購入層: 中堅層。バランスの取れた環境を求める層。
東区(築10年:3,180万円):福岡市で最も価格が手頃
東区は福岡市の7区の中で最も価格が安い区です。ただし最新物件の供給が多く、築2年以下の物件が全体の約12.7%を占めています。これは古い物件との価格差を考慮すると、新築物件を中心とした価格形成が行われていることを意味します。
購入層: 予算重視層。新築志向の層。
中古マンション価格の上昇トレンド
福岡県全体では、過去10年間で中古マンション価格が約72%上昇しています。特に福岡市の中央区・早良区・博多区では上昇幅が大きく、新築マンションの高騰に伴い中古物件の価格も連動して上昇しているのが現状です。
今後10年(2032年予測)では、ノーマルシナリオとして福岡県全体で27.5%の上昇が予想されています。この予測値が実現すれば、2025年時点での購入判断は資産形成の観点からも有利に機能する可能性が高いです。
購入時の判断フレームワーク
ポイント1:ライフステージと予算のマッチング
「最も高い区を選べば良い」という判断は誤りです。自分たちのライフステージ、家族構成、勤務地からの距離、学校選択の有無など、複数要因を総合的に判断する必要があります。
ポイント2:維持費と税金の把握
マンション購入時は、以下の継続費用を計算に含める必要があります。
- 月々の管理費(一般的に1~3万円)
- 修繕積立金(後年増額の可能性あり)
- 固定資産税・都市計画税(毎年発生)
- 駐車場代(中央区では月3~5万円が相場)
同じマンション価格でも、管理費が高い物件と安い物件では、長期保有時に数百万円の差が生まれます。
ポイント3:将来の売却を見据えた資産性判断
近年の福岡市は人口増加が続き、2035年までは世帯数の増加も見込まれています。これは中古マンションの売却市場が今後も堅調であることを示唆しています。
ただし、立地選択は慎重に。駅からの距離、築年数、周辺環境の変化などが、将来の値下がりリスクとなる可能性があります。
各区での購入シミュレーション
福岡市での中古マンション購入を検討している場合、手取り年収に対する物件価格の比率は「4~5倍」が一般的な基準です。
手取り年収別の推奨購入価格帯と対応区
| 手取り年収 | 推奨購入価格 | 対応区 | 物件例 |
|---|---|---|---|
| 600万円 | 2,400~3,000万円 | 東区、博多区 | 博多区・南区の中古物件 |
| 700万円 | 2,800~3,500万円 | 南区、博多区 | 博多区・南区の良好立地 |
| 800万円 | 3,200~4,000万円 | 西区、南区 | 西区・南区の一般的物件 |
| 900万円 | 3,600~4,500万円 | 西区、早良区 | 早良区の一般的物件 |
| 1,000万円 | 4,000~5,000万円 | 早良区、中央区 | 早良区の良質物件 |
| 1,200万円 | 4,800~6,000万円 | 中央区 | 中央区の一般的物件 |
築年数による価格低下シミュレーション
同じ区の物件でも、築年数により大きく価格が変動します。中央区の例で見ると:
| 築年数 | 価格 | 福岡市全体平均比 | 築10年比 | 価格差 |
|---|---|---|---|---|
| 築10年 | 5,480万円 | +45% | 100% | — |
| 築20年 | 3,780万円 | 0% | 69% | −1,700万円 |
| 築30年 | 2,985万円 | −21% | 54% | −2,495万円 |
| 築40年 | 2,380万円 | −37% | 43% | −3,100万円 |
重要な示唆: 築年数20年程度までであれば、各区で相応の資産価値が保たれています。ただし築30年を超えると、資産価値の下落が加速するため、修繕積立金の額と今後の修繕計画に注意が必要です。
購入価格別の想定環境と対応区
- 3,000万円台: 東区・博多区の駅近物件、またはやや駅から距離のある各区の物件
- 3,500~4,000万円: 西区・南区の中心的な物件、各区の良好立地
- 4,000~4,500万円: 早良区の一般的な物件、中央区のやや古い物件
- 4,500万円以上: 中央区・早良区の良質物件、新しい建物
福岡市中古マンション市場の今後展開
今後の福岡市マンション市場に影響を与える要因は以下の通りです。
上昇要因:
- 天神地区の再開発が継続中(複数プロジェクト進行)
- 博多駅周辺の再開発も加速中
- 九大学研都市駅周辺の開発が本格化
- 福岡市への企業本社機能の集約が継続
下降リスク要因:
- 金利上昇による購買力低下の可能性
- 新築マンション供給増による中古物件への競争圧力
- 人口ピークが2035年であり、その後減少予測
最後に:購入判断は「感情」ではなく「データ」で
福岡市で「安い」と言われる区でも、全国他都市と比べれば上昇相場にあります。「今が買い時」という判断は、過去データでは正しいと言えます。
ただし「どの区で買うか」という判断は、単なる価格比較ではなく、以下の3点を統合した意思決定が必要です。
- ライフプランに基づく生活利便性の優先度
- 長期保有による資産価値の上昇見通し
- 月々の維持費を含めた実質的な家計負担
福岡のマンション購入は人生で最大の資産形成機会です。だからこそ、感情的な判断ではなく、データに基づいた合理的な判断が不可欠なのです。
関連リソース:
- 福岡市の住宅購入補助金制度
- 住宅ローン金利比較|フラット35と変動金利の選択
- マンション購入時の隠れコスト:見落としやすい費用まとめ



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